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講演「東京武蔵野病院入院と太宰治の文学」

※既に終了したイベントです※
去る11月10日開催。ねりまクラフトークが練馬イベントなら、こちらは板橋ローカルの…地元の人なら「武蔵野病院前」というバス停名でおなじみの(だが環七のバス停で降りても病院の姿は見えない)東京武蔵野病院内で行われた、無料で一般人も参加できるイベントです。講師は渡部芳紀(わたべ・よしき)先生。

太宰治の武蔵野病院入院は1936年。…というと、映画「ビューティフル・マインド」で描かれた数学者ジョン・ナッシュの入院より二十年も前、しかも日本です。会場が病院なのに、これでもかと悲惨な入院生活が語られたりするんだろうか…と想像して勝手にドキドキしていましたが、むしろ一カ月の入院で太宰治の麻薬(パビナール)中毒は完治。本人は入院についてネガティブな感情を持っていたが、それは病院より「結核治療のため」と騙して閉鎖病棟に入院させた家族・友人に対して向けられたものであったこと。入院の二年後、井伏鱒二の仲人で結婚できたのは外から見ても心身ともに健全な状態に復したと認められたことを示すもの…など、作品の引用をまじえて語られ、入院→人間失格→心中 のようなイメージを覆す説得力のあるものでした。